斎藤アレックスの公式サイトにご来訪頂きありがとうございます。こちらのブログでは、私の思いや活動に関して、様々な投稿をさせていただきます。
今日は、何故私が政治家を目指しているのか、志に関して書かせて頂きます。
生ぬるい地獄と化した日本
私が就職活動をしていた2007年ごろ、真山仁氏の著作である『ハゲタカ』(講談社文庫)という小説が話題となっていました。『ハゲタカ』は2007年にNHKで、また今年になってテレビ朝日で再度テレビドラマ化され、2009年には映画版が作成されてもいるので、この作品のことをご存知の方も多いと思います。外資系投資会社に勤める主人公(日本人)が、ウォールストリート帰りの凄腕投資家として閉鎖的な日本市場に切り込み、日本経済の変革を実現していくというストーリーに私が熱狂したのには、私が主人公のように金融機関でのキャリアを目指していたことだけでなく、そのストーリーを通じて日本経済の問題点が鮮明に描写されていたことが大きな理由としてあります。
真山氏は現在も著作を通じて日本経済・財政に対する危機感を訴え続けていますが、映画版『ハゲタカ』で特に印象に残っているセリフに、主人公のライバルが言った「日本はなまぬるい地獄だ」というものがありました。現状のままでは行き詰ることが分かっていながら、変化を嫌う日本が経済・財政的な危機を深めて行く様子を指しての言葉です。バブル崩壊以降の失われた20年と呼ばれる日本で育ってきた私にとって、この「なまぬるい地獄」という言葉は強烈で、子供のころから感じてきた、先行き不安が充満する日本の状況を見事に表現すると共に、私が抱いていた日本の現在と将来に対する危機感をさらに強めるきっかけとなりました。
私の生い立ちと政治を目指すきっかけ
私は、スペイン人の父親と日本人の母親の間に生まれ、スペインと日本の両方で暮らした経験があることから、幼いころから国家というものについて考える機会が多かったように思います。また、経済的な要因から、中学生以降は母子家庭で育つことになりましたが、大学まで教育を受け衣食住にも困ることなく過ごせたことから、国の整備するセーフティーネットの重要性と豊かな日本で育ったことの有難さを痛感しました。そんな私にとって、金融マンとして日本の構造問題に切り込み経済に活力をもたらそうとする『ハゲタカ』の主人公は、金融機関で働く自分のヒーローのような存在でした。しかし、この国が抱える経済・財政上の問題は、政治が動かなければどうすることも出来ない問題です。
改革を避けて、旧態依然の政策体系に固執し、一般国民がじりじりと貧しくなる「なまぬるい地獄」を生み出しているのは、政治の不作為に他なりません。国民生活が年を追うごとに貧しくなり、この国に住む人々とこれから生まれてくる子供たちに平等な機会が与えられず、未来に希望を持てないような状況を転換したい。そう志して松下政経塾の門を叩いてから既に6年、不幸にも、日本社会を取りまく経済・財政的な危機はますます深まるばかりです。
政治家として何を成し遂げたいか
安倍政権が、そして自民党が保守政党として高度経済成長期に作られた日本モデルとその成功体験に固執するのなら、それに代わる、そして真に現在の日本国民の生活を良くする政策モデルは野党が提示し、政権交代によってそれを実行していくしか、日本社会を救う手立てはありません。前世紀から大きく経済条件が転換した今日においては、経済成長をやみくもに追いかけて経済成長に社会問題の解決を頼るのではなく、より公平な形で税を集め、そして効果的に分配するという、国家の財政機能の改革が、日本国民の生活と文化の充実のみならず、日本社会の平穏を維持するうえで欠かせません。不平等や格差の拡大を放置することは、一般国民の消費・購買力をますます低下させ経済に悪影響を及ぼすだけでなく、2016年の大統領選挙で改めて露になったようなアメリカ社会の不和・分裂を日本で起こしてしまうことにもつながります。
また、教育などの公共サービスや社会保障を拡充することと同時に、日本経済の活力を生産面から生み出すことも重要だと思います。日本経済の屋台骨の役割を果たしている民間企業が活況を取り戻せば、国民生活の向上のための大きな助けとなることは間違いありません。経済政策においては、ベンチャー企業の振興に主眼を置いて、新興企業や若い人たちが生き生きと挑戦できる社会を作りたいと思います。
競争力のある経済を作りながらも、少年時代の私の家庭が必要としたように、誰もが必要とする子育て、教育、あるいは医療・介護・年金などの公共サービスや社会保障サービスが分け隔てなく提供され、誰もが満足な生活を送れる社会を形成し、世界で輝く日本を実現したい。この志を実現するために、必要な改革から目をそらさずに、真摯に政策を提示し、説明し、実行する政治家になるために、国民民主党の一員として国政に挑戦させて頂きます。何卒よろしくお願い申し上げます。