みなさまこんにちは。日ごろから斎藤アレックスの活動に多大なるご理解とご協力を賜り、衷心より厚く御礼申し上げます。
現在、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、日々の生活だけでなく、経済にも世界的に甚大な悪影響が広がっています。感染拡大の阻止と早期収束に向けて、うがい、手洗いを徹底して頂くと同時に、不要不急の集まり・イベント等(特に室内)の開催・参加は避けて頂き、発熱等の体調不良時は、まず自宅に留まり経過を観察して頂きますようお願いいたします。また、次の症状がある方は、くれぐれも、直接医療機関へ行かず「帰国者・接触者相談センター」などの公的な相談窓口にご相談ください。
- 風邪の症状や37.5℃以上の発熱が4日以上続いている。※高齢者や基礎疾患のある方は、2日程度続く場合 ( 解熱剤を飲み続けなければならないときを含みます)
- 強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある。
今後も、政府、地方自治体からの情報発信を注視して頂き、これらの公的機関からの情報に基づいて予防策などを徹底して頂きますよう、お願いいたします。
さて、今回のブログでは、主に経済政策について書いていきたいと思います。街頭活動など日常の活動が出来なくなっている中なので、ネットを使った情報発信に力を入れていきたいと思います。少し長くなると思いますが、目を通して頂けますと幸いです。
「失われた30年」からの脱却を目指して
平成の時代は、日本経済が弱体化し国民生活が貧しくなっていった30年間でした。わたし斎藤アレックスは昭和60年(1985年)生まれ、今年で35歳になります。スペインのマドリッドで生まれ、5歳になるころに帰国し、大阪で育ってきました。まさに「失われた30年」と呼ばれる、経済的に停滞を続けた時期に育ってきた私にとって、日本経済を立て直し、より豊かな社会を築いていきたいと思うようになったのは、自然なことでした。
現在、新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、世界中で経済活動が落ち込み、リーマンショックを超える不況が一時的に訪れることが予見されます。しかし、感染症が地震災害のように生産設備やインフラを物理的に破壊するわけではないので、ひとたび感染が収束すれば、米国や中国のような危機前に高い成長率を誇っていた経済は、速やかに回復するはずです。一方で、日本経済はどうでしょうか。新型コロナウイルスの感染が収まり自粛が解除されても、長期停滞を続けて、国際競争力も低下の一途である現状から脱することができるわけではありません。
現在の機能していない経済政策から脱却、転換を行い、経済の好循環の実現と国際競争力の強化に向けて、新しい経済政策の取組を進めていかなければなりません。
誤った処方箋を出し続けた「アベノミクス」
バブル経済の崩壊以降、小さな浮き沈みを重ねながらも、日本経済は全体として低調な成長しか実現できませんでした。1989年には、世界の企業の時価総額トップ50に日本企業が32社も入っていましたが、今日では、近年設立されたデジタル分野の米国の新興企業に上位をほぼ独占され、日本企業はトヨタ自動車がかろうじてランクインするのみです。一人当たりGDPの順位でも国際競争力の順位でも、どんどん日本は地位を低下させています(図1)。
さらに、平成時代最後の10年間は、日本経済をさらなる苦難が立て続けに襲いました。2008年からの世界金融恐慌で大きなダメージを負った日本経済は、息をつく暇もなく2011年に東日本大震災に見舞われます。長期低迷から抜け出す見通しが一層立たなくなった中、2012年に政権に返り咲いた安倍首相は、「アベノミクス」と自ら名付けた経済政策、つまりは「異次元の金融緩和」を中心とした対策で景気の好循環を取り戻し長期低迷から脱しようとしました。
アベノミクスの「異次元の金融緩和」の下で、確かに株などの金融資産の価値は上がりましたし、大企業を中心に利益が上がりました。しかし、上述のように国際競争力は逆に低下し、金融緩和という将来世代に大きな負担を負わせる、危機時の緊急避難的な意味合いの強い政策を平時にも大規模に行うという「禁じ手」を連発しているのにも関わらず(図2) 、経済の好循環を生み出すことはついに叶いませんでした 。
アベノミクスの大きな失敗の一つが、労働者の賃金を上げられなかったことです。企業が内部留保を積み上げる一方で、労働分配率(企業が生み出した付加価値のうち人件費として労働者に支払われている金額の割合)は、第一次オイルショック直後の1974年以来の低い水準にまで落ち込んでいます (図3)。
日本の経済は輸出、あるいは企業の設備投資などで支えられていると考える方が多いかもしれませんが、日本の経済活動(GDP)で最も大きな比率を占めるのは、家計の消費です。元々、日本は輸出額と輸入額が拮抗しており、貿易で稼ぐ、というイメージは正しくありません(もちろん、食料や資源といった大量の輸入を支えているのが輸出や海外投資で稼いだ外貨、という側面はあります)。また、企業の設備投資が占める割合は16%です。家計の消費は、住宅投資を除いたとしても54%を占めるほどに大きいです。これは、中国や韓国、そしてドイツなどと比べても高い数字であり、日本経済の浮き沈みに対していかに家計の消費が重要な要素かが分かります(以上、GDPの構成比率は2019年のデータ)。機能しなかった、「金融緩和を行ってインフレを起こせば良い経済循環が起きる」という異端の「アベノミクス」から脱却し、消費を活性化し需要を喚起し、結果的に健全なインフレが起きるという、王道の経済政策に立ち返らなければなりません。
賃上げと社会保障制度の立て直しで、家計消費を起点とする好循環を生み出す
景気の好循環を生み出すカギとなる「家計消費」の活性は、どのように実現できるでしょうか。まず、賃上げ、しかも消費の活性化につながるような「ベース賃金」の賃上げを実現しなければなりません。政府が強制的に賃上げを実現する方法として最も有効なのが、「最低賃金」の引上げです。他の先進国に比べて低い状態が続いている最低賃金(図4)の引上げのスピードを上げて、日本の賃金の底上げを実現していきます。これは、他の先進国に比べて低い水準にある日本の労働生産性を強制的に引き上げていく効果もあり、人口減少が続く日本では不可欠なことでもあります。
速やかに最低賃金を全国一律1000円に上げ、その後も年率5%程度の最低賃金の継続的な引き上げを目指します。
加えて、賃上げが実現できても、社会保障制度の持続可能性に対して不安がある今の状況では安心して上がった分の賃金を消費に回せませんから、長年の懸案である社会保障制度改革にも取り組まなければなりません。財源問題にもしっかりと向き合って持続可能性を担保しつつ、生活の安心を生み出すための社会保障制度の包括的な改革に取り組んでいきます。皆様が所得に見合う社会保険料や税金を払っていれば、それだけで誰もが結婚、子育、教育といったライフイベントを乗り越えられて、安心して老後を迎えられる制度を構築することが重要です。
将来不安を解消する社会保障制度改革を実現することで、上がった分の給料、手元に残ったお金を安心して消費に回せる社会を築き、消費の活性化と景気の好循環を実現します。
国際化、デジタル対応、ベンチャー振興で国際競争力を高める
もちろん、景気の好循環を力強いものにするためには、日本企業、産業の国際競争力を強化していくことが欠かせません。図1に日本の国際競争力の順位を示していますが、これはスイスのIMD(国際経営開発研究所)が発表しているデータになり、IMDの調査結果には総合順位だけでなく、様々な経済の競争力に関する項目の順位が細かく示されています。この調査結果を紐解いていくと、日本経済の国際競争力を高めていくためには、国際化、デジタル対応、産学連携、そしてベンチャー振興などがカギになってくることがわかります(図5) 。
国際化という観点では、対内直接投資(海外から日本への投資額)の少なさや管理職の国際経験の乏しさ、企業文化の閉鎖性が指摘され、いずれも評価が最低レベルになっています。対内直接投資は日本国内に新たな雇用や産業を創造するという有形の価値だけでなく、人材ネットワークの形成や新たな商慣行の導入といった無形の価値も生み出します。昨年、安倍政権は外為法を改正し(本年5月施行見込み)、海外投資家が上場会社(指定業種)の株式を取得する場合の規制を大幅に強化するなどしていますが、対内直接投資のもたらす便益を正しく評価したうえで、このような規制の在り方も再検討し、
海外の企業や投資家にとって魅力的な国内市場を作っていきます。
また、経済・社会のIT化が始まって四半世紀が経ちますが、デジタル対応の必要性はますます高まるばかりです。それにもかかわらず、IMDの調査では、経営におけるデジタル対応やICT活用においても、日本の評価は最低レベルとなっています。また、デジタル技術をもった人材、専門家の層の厚さでも、同様に日本の評価は極めて低くなっています。高度なデジタル技術者を育成し人材の層の厚みを増すために、
大幅なデジタル教育の拡充を国家の教育政策の責任で行います。
一方で、日本の科学技術力の評価は依然として高く、これらの知的資本の蓄積を産業に移転して新しいビジネスを生み出していく、産学連携の強化が望まれます。関連して、起業、いわゆるベンチャー企業の振興に、より力を入れていかなければなりません。ベンチャー企業は雇用創出、イノベーション創出、生産性向上に繋がる極めて重要な経済活動であり、世界各国がベンチャー企業振興に取り組んでいます。これまで述べてきた開かれた投資環境の整備や、デジタル対応、産学連携の推進を行うことは、既存の企業の競争力を高めるだけでなく、ベンチャー企業の創出を通じて、日本経済の国際競争力を強化する効果が期待できます。ベンチャー企業の振興に当たっての日本の課題は「起業家精神」の弱さであり、IMDの調査結果でもこの項目の評価は最下位の63位となっています。
制度的なサポートを拡充するだけではなく、起業家精神を育める社会風土へと変革していきます。
経済政策は、社会保障・福祉政策と同様、国民全体の生活と人生を左右する、政策の一丁目一番地です。年を追うごとに諸外国から取り残され経済が衰退する現在の状況を打破するために、柔軟な発想でスピード感をもって経済政策に取り組むことをお約束いたします。
また、そのほかにも、下記に示すような取り組みを行います。
安倍政権、アベノミクスに代わる確かな選択肢を作ることが、私たち国民民主党、そして私自身の役割だと考えています。来る次期衆議院選挙に向けて、私たちの理念や政策を知っていただけるよう、引き続き活動を続けてまいります。引き続き、斎藤アレックスの活動に、変わらぬご指導ご鞭撻のほど宜しくお願い致します。