ロシアのウクライナ侵略が始まってから1か月が過ぎました。
ロシア側の一方的で荒唐無稽な主張(ゼレンスキー政権はナチス、東部地域でウクライナ政府による虐殺が起きている、ウクライナとロシアは歴史的に一つの国、等)に基づいた侵略と民間人への見境のない攻撃は断じて許すことができず、日本を含むG7、NATO諸国を中心に国際社会は団結して、この暴挙を一日でも早く止めるために全力を尽くさなければなりません。
私も、繰り返し衆議院の安全保障委員会でこの件を取り上げていますが、国民民主党としてもウクライナ支援とロシアの野望をくじくための圧力強化に向けた政府与党への働きかけを全力で行っているところです。
先日は、ウクライナのゼレンスキー大統領のオンライン演説を同僚議員と拝聴し、改めてウクライナへの人道支援、戦争終了後の復興支援に向けた取り組み、そしてロシアへの圧力強化に向けた決意を新たにしました。
国民民主党が全国で行っているウクライナ支援の募金にはこれまでにない多くの支援が寄せられており、遠く離れた地球の反対側で、家族と自国の自由・民主主義を守るために戦っているウクライナの人々に、日本国民の連帯と支援の気持ちが広がっていることを感じます。
ウクライナの人々は何のために戦っているのか
この機に、ぜひ我々日本人は、ウクライナの人々が何のために命を懸けて戦っているのか、理解しなければならないと思います。
それは紛れもなく、自らの命と家族の命、そしてそれらが保障されるために必要不可欠な自由と民主主義、そしてウクライナの存在そのものを懸けて戦っているのです。
このロシアの侵略に関して「ウクライナの指導者が戦争を長引かせて民間人の被害を拡大させている」「ウクライナ政府は降伏して国民の命を守るべき」などといった倒錯した見解を繰り返し述べるテレビタレントを何名か見かけますが、ウクライナの降伏が、ウクライナの人々に何をもたらすのかを理解していない、全く傾聴に値しない意見です。
プーチン大統領はソ連時代のように、ウクライナをロシアの一部にしたいのですから、ウクライナの降伏はウクライナの存在の消滅を意味します。ウクライナがソ連崩壊後歩んできた自由と民主主義に基づく国の在り方も途絶え、ウクライナ人と呼ばれていた人たちはウクライナ語の使用も許されず、学校では「ウクライナとロシアは歴史的にも一つの国」であるとの改変された歴史が教えられ、反抗的な人々は遠い地に移住させられ、やがて世界もウクライナの存在を忘れていってしまうでしょう。
苦しいけれども、ここで何とか踏ん張らなければ、ウクライナの独立とウクライナ人の安全は永久に実現できなくなってしまうと考えるべきです。
ロシアのウクライナへの侵略が世界に与える影響
そして、今回のロシアの侵略を失敗させることは、日本と世界の安全を守るためにも絶対的に重要です。
もしロシアが今回の侵略を成功させれば、味を占めて他の欧州の地域(特に旧ソ連諸国)を狙い、欧州が不安定化する危険性があります。
中国が台湾侵略の誘惑にさらに駆られる危険性もあります。
第二次世界大戦後の世界秩序の根幹である武力侵略の禁止という原則が破られれば、日本の安全にも大きな脅威を招くことになるのです。
折しも、北朝鮮は、常任理事国ロシアによる侵略戦争によって国連の安全保障理事会が機能不全に陥っている今を好機と捉えたかのように、弾道ミサイルの発射を繰り返し、核兵器保有国としての自国の地位を既成事実化しようとています。
日本の安全と平和を守るため、政策の提言と実現に全力で取り組みます
2022年が始まってまだ3か月しか過ぎていませんが、この3か月で世界は大きく変わりました。
日本の置かれている安全保障環境も、戦後77年の今、これまでとは次元が違うレベルにまで厳しくなっています。
日米同盟を基軸に防衛力を抜本的に強化しながら、侵略戦争を許さないための外交的・経済的手法の強化を他の自由主義・民主主義国と一層連携して追及し、世界の安定を取り戻していかなければなりません。
国民民主党は与野党の垣根を超えた政策提言と政策実現で、日本の平和と安全を守る取り組みに全力を注いでいきます。