去る令和5年11月30日、旧党時代の結党以来籍を置いてきた国民民主党を離党し、前原誠司代議士を代表とする新党「教育無償化を実現する会」に参画する旨を表明しました。
記者会見等を通じてその理由は順次ご説明申し上げ、またこれからも説明を尽くしていく所存ですが、取り急ぎその理由の概要についてご報告申し上げます。
私が政治家を志し、松下政経塾に入塾した年は、民主党が下野し、安倍晋三氏率いる自民党が、再び政権の座に返り咲いた直後でした。
私自身は旧来型の保革のイデオロギー対立に関心が無いため、自民党にも、そして当時野党第一党であった民主党に対しても中立的な立場で、松下政経塾の塾生として様々な研修や研究に取り組みました。
そして、4年間の塾生生活を終える際に改めて、凋落する国際競争力や科学技術力、行き詰まることが明白でありながら改革が先送りされ続けている財政と社会保障、少子高齢化が益々加速し一層疲弊する地域社会など、日本が抱える問題や解決策などに思いをめぐらせる中で、私は、自民党に代わる政権担当能力のある政党を強くし、そして日本の構造問題に立ち向かう改革政治を担うことに自らの政治人生を捧げる覚悟を決めました。
自民党から政権を奪い政権運営をする上で、そしてその前提として政権担当能力のある政党としての信頼を有権者からいただけるようにする上で、野党が民主党政権の失敗から学ぶべき点は多々あると思います。
特に、外交安全保障やエネルギー政策に関する混乱が政権の行き詰まりを招いた大きな要因であることから、外交安全保障やエネルギー政策などに関しては徹底的な現実路線を貫くことが国民の信頼を得て、経済、教育、社会保障などの内政課題に挑戦するための政権交代を実現する前提条件となると確信しています。
だからこそ、私は確固とした外交安全保障観を持ち、そして政権交代による改革政治の実現に政治生命をかけている前原さんに師事し、2018年の旧国民民主党、および2020年の現国民民主党の結党に参画しました。
党の要請に従い2019年の参議院選挙への立候補を直前で取りやめたのも、また2021年には党の支持率が1%を切るような状況下で国民民主党から衆議院選挙に出馬したのも、現実路線の外交安全保障・エネルギー政策を基本理念として政権交代を目指している国民民主党で国政に取り組むことが、政権交代で改革政治を実現するという、自分自身の志を成し遂げるために最善の道だと信じてきたからです。
しかし、今の国民民主党の執行部が目指している政治手法は、私の志とは真逆の、自公政権との連携に大きく傾いています。
当然、党内には私と同様そのことを是としない意見もあり、何とか路線を修正し政権交代を目指す党としての立ち位置を回復したいと思い、前原さんを候補として代表選挙に挑んだわけですが、陣営の選対責任者としての私の力が及ばず、前原さんを勝たせることが出来ませんでした。
結果として、現在の国民民主党は自公との連携がより一層進む結果となっています。どのような手法で政治家としての役割を果たすのかは、それぞれの政治家の判断に委ねられるべきであると私は思いますし、現執行部の方針が代表選挙で信任されたこともありますので、その方針を批判するつもりはありませんが、自分自身の信念をこれ以上曲げて、自分の志と逆向きの方針に従い続けることは、私にはできませんでした。
国民民主党で活動するにあたって、特に滋賀1区で活動させていただく中で、党員・サポーターの皆様、連合を始めとした支援組織、地方議員の皆様、そして川端達夫元衆議院副議長にご指導いただいたことは感謝に尽きず、今回の決断で多くの方にご心配とご迷惑をおかけしていることを衷心より深くお詫び申し上げます。
新党では、「生活者、納税者、消費者、働く者の立場に立つこと」、「既得権や癒着の構造と闘う改革政党たること」を根本に据え、野党勢力の結集を通じて政権交代を目指すことをブレずに続けていきます。
その上で、急激な人口減少時代に入った日本の活路は「人づくり」にあるとの確信のもと「全世代型の教育無償化」を旗印に徹底的な教育・科学技術への投資を行う、「人づくりこそ国づくり」の理念を体現する政治のために全力を尽くしていきます。
今の停滞した政治状況を打破するため、身を賭して全力で活動をさせていただきます。何卒、ご理解、そしてご支援をいただきますことをお願い申し上げます。
衆議院議員 斎藤 アレックス